のだめついに最終巻

のだめカンタービレ #23 (講談社コミックスキス) Book のだめカンタービレ #23 (講談社コミックスキス)

著者:二ノ宮 知子
販売元:講談社
発売日:2009/11/27
Amazon.co.jpで詳細を確認する

いやぁ、まだ『のだめ』がそこまで世の中に知れ渡っていない時に
友達に借りて読んでしまったが最後、
嵐の日に全巻買い揃えに行ったあの日がなつかしいです。
自分はずぶ濡れになって帰ってきたけど漫画は守って帰ってきました。
それがあれよあれよとドラマ化アニメ化映画化で一大ブームメントになり、
オーケストラは誕生するわクラシックブームにも火をつけるわで
てんやわんやの大騒ぎですな。なーんと。
作者の出産もあって一時期漫画がストップしてしまいましたが、
なんとか最終巻までたどり着きましたね。
最終巻についての世間の反応はどうやら厳しめですが、
私は、まぁ、これもありかな、と思っています。
どかーんと終わることだけがすべてではなく、
人生というのはコツコツしたものの積み重ねですから
漫画もそういう終わり方、あるいは、
主人公達の人生の続きを連想させる終わり方でも
いいんではないか?と思います。

これで私が買い揃えている漫画は
あと『NANA』と『3月のライオン』だけになりましたー。
金銭的な面でほっとしてみたり、
なんだか寂しくなったり、そんな気分です。

クラシックといえば、全盲のピアニスト辻井伸行を知っていますか?
先日、『ドキュメンタリ宣言』という番組で辻井さんが出てたのですが、
辻井さんのピアノの音を聞くたびに涙が止まらなくて大変でした。
自分の耳がピアノの音の違いがわかるほどいいとは思いませんが、
何か訴えるものがあるのでしょう、
辻井さんのピアノの音には辻井さんの感情がぶわーーっ、
と溢れんばかりに乗っていて伝わってくるような気がします。
クラシック部門で今年の売り上げNo.1のCDになったらしいですが、
ぜひ聴いてみたいです。

| | コメント (2)

秋の読書4

いつの間にか冬になってしまったので
時系列でつらつらと並べていきます。

9/28
『言い寄る』田辺聖子
3部作の1番目。やはりおもしろい。
女の子だったら読んで損なし。

10/26
『ロック母』角田光代
不幸な家族のお話が多くて、
現代社会を投影してるのはよく分かるんだけど、
読んでいていい気分ではない。

11/3
『秘密』東野圭吾
映画を先に観ていたので内容は知っていたけど、
やっぱりおもしろかった。
でも、意外なことに、私は映画の方が好き。
映画の方がオチがわかりやすくて快活だから。

11/9
『甘い記憶』(新潮社)江國香織、他
チョコを買って応募すればオムニバス小説が当たる!
っていうキャンペーンが前にあって、
当時は私も応募したんだけど見事にはずれました。
手直しして新潮社から出版されたのがこの小説。
お目当ての江國さんは『おそ夏のゆうぐれ』という話を書いています。
一度読んだら忘れないお話でした。

『Love Songs』(幻冬舎)江國香織、他
歌にまつわるオムニバス小説。
お目当ての江國さんは松任谷由実の歌で
『Cowgirl Blues』という話を書いていました。
江國さんには珍しく主人公が自ら意思的に動く場面が印象的でした。

『プチ哲学』佐藤雅彦
雑誌『Olive』に連載されていたプチ哲学。
かわいらしい絵と一緒に日ごろからちょっと考えたいことが
飽きない程度の文章で分かりやすく載っています。
私が好きなコラムは、
夏の夜にカエルたちが暑くて眠れない時間を過ごしていると、
他のカエルが風鈴を取り付けてうちわで音を鳴らしてやり、
風を感じたカエルたちがすやすや眠ってしまう、というものです。
これは、日常は目からの情報に頼りすぎているが、
実は、五感を使って生活しているんだよ、っていう象徴です。
視覚以外の感覚を意識することがとても大事だと思い知らされました。

11/16
『分身』東野圭吾
自分と瓜二つの人間が他の地域に住んでいる!?
というドッペルゲンガーみたいなお話です。
実は現代医学に基づいたクローン技術の話なので
その辺は気持ち悪かったけど、やっぱりおもしろかったー。

11/18
『苺をつぶしながら』田辺聖子
3部作すべて読み終わりました。
おもしろかったー。
恋愛、結婚、友達の出産、離婚、死、男女の間の取り方。
3部作には全部載ってます。

11/20
『日本語の作文技術』本多勝一
1年間かけて読み終えました。
難しい文章が苦手なのでちょこちょこ読みすすめました。
読んでよかった。自分の糧になったことまちがいなしです。
分かっていてもなかなか手をつけられないのが私です。

11/25
『14歳からの哲学 考えるための教科書』池田晶子
残念ながら図書館の期限が迫っていて半分しか読めなかったけど、
哲学についていつも考えていたのでちょっとでも読めてよかったです。
14歳の私には読めなかったと思うし、
生きるとは?とか他人とは?とか、読んでも何の答えも書いていません。
一生考えよう!っていうスタンスです。

11/30
『陽気なギャングが地球を回す』伊坂幸太郎
すっごいおもしろかった。
この人頭いいなぁ、伊坂幸太郎になりたい!っていうのが本音です。
こんなに頭の回転が速い人っているんだろうなぁ、って考えちゃいます。
売り言葉に買い言葉、じゃないけど、会話がポンポンはじけてます。

他、マクロビについての本を何冊か借りています。
マクロビに定評のある中島デコさんの本で、
『ライステラスカフェ』『パンとおやつ』
『かんたん、おいしい!マクロビオティックはじめてお弁当レシピ』
です。
普段使わない材料が多いので参考にするのは難しいけど、
代用品とコストを考えながら読んでいます。
雑誌『Figaro』に載っていましたが、
小島聖さんはマクロビの資格を持っていて
中島デコさんの本を愛用しているそうです。

今は伊坂幸太郎の本を5冊と東野圭吾を1冊借りてきているので
年内は推理小説漬けになりそうです。
新潮文庫から江國香織の『ウエハースの椅子』が出たのが気になります。
ハルキ文庫のものを持っているけど、新潮文庫のほうが表紙がかわいい。

| | コメント (0)

秋の読書3

『砂漠』伊坂幸太郎
映画『重力ピエロ』を観にいったときに思ったのは、
名文の引用がとても印象的なこと、
推理も事件もチープなのにそれは話にあんまり関係なくて
むしろそこに出てくる人間の個性が活き活きと表されていること、
でした。
『砂漠』もそんな感じ。仙台での大学生活、偶然のように集まった友達たち、
季節ごとに訪れる珍事件、サン=テグジュペリからの引用。
最近は読書がすすまなくてだらだら読んじゃったけど、
昨日は眠れなくて朝6時に読み終わりました。
読んでみると、なんておもしろかったんだ!という感想です。
特に最後の「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」
はやはり名文。サン=テグジュペリ『人間の土地』からの引用らしいです。
『星の王子さま』は讃えられているけど
『人間の土地』はつまらないと有名なのでまだ読んでいません。
本当はそういう小説がおもしろいのかも。
とにかく、『砂漠』を読み終わってしまった今だからこそ、
出てきた北村、東堂、西嶋、南、鳥井にもう一度会いたくて仕方がないです。
くぅ、伊坂幸太郎やってくれる。

『Vintage'07』講談社
シャトー・マルゴー、ロマネ・コンティ、といった名ワインにちなんだ
オムニバス小説。
江国香織が『壬生夫妻』というお話をこの中で書いていたので
嬉しくなって借りてきました。
おもしろかったー。私も江国に賛成です。
ワインを置いておくだけの男なんて、なんてつまらないんだろう。
飲まなきゃ意味がないのに。
他にも佐藤賢一の『女王』という話がとてもおもしろかったです。
ワイン選びでフランスの女王にのし上がっていく様を
まるで映画のように再現している文体が見事でした。
直木賞を獲った『王妃の離婚』を今度読んでみようかな。

最近、書き留めることや表現することがめんどくさくなってしまって、
何の意味があるんだろう、とか、大事なことは覚えているだろう、とか。
その反面、人間は忘れる生き物だから書き留めなきゃ、とかも思ってみたり。
パソコンを立ち上げなければ音楽も聞かないしペンも握らない。
そんな時期です。
秋田から送られてきた「ふじリンゴ」と「しとぎ豆がき」「しとぎサブレ」が
とてつもなくおいしい秋です。

| | コメント (2)

秋の読書2

図書館から借りてきた本をちょくちょく読んでます。
秋だから。ただ単に暇だから。

『1ポンドの悲しみ』『4TEEN』石田衣良
池袋ウエストゲートパークは好きなのに、
なんとなく石田衣良が好きじゃなかったので読んだ事がなかったけど、
案外この人いい人かもしれない。とか思ってしまいました。
単純です。
『4TEEN』は直木賞受賞作だし岡田将生君がおすすめしてたので
読めてよかったです。

『オキーフの家』江国香織
オキーフについてもうちょっと知らなきゃ意味ないなぁ、と思いました。
『スイートリトルライズ』が映画化するので嬉しいです。
しかも中谷美紀が出るし。

『イラストノート』2、3、4、5、9号
アナログのイラストもなかなかいいものだ、っていうかこれでいいの?
と思ってみたり、
デジタルのイラストもできたらいいんだろうな、と思ってみたり、
職業とプライベートの間の読本でした。

今日から伊坂幸太郎の『砂漠』を読み始めました。
私が大学入学当初に感じてた
「みんな勉強しに来たんじゃないの?これって合コンじゃん!!(怒)」
という周りから一歩引いたような思いが見事に書き表されていて、
あはは、大学なんてそんなもんか、という気分にさせられます。

| | コメント (13)

秋の読書

夏が終わりに近づいているなぁ、と思っていたら、
いつのまにかもう9月も終わりに。
今月はいろんな人がうちに泊まったりしてるので
瞬く間に9月が下旬に差し掛かってしまいました。
昨日は久々に自転車を走らせてたら、
ランニングをしている人がたくさんいてびっくりしました。
シルバーウイークという大型連休を利用して身体を鍛えたい、
っていうアクティブな人が増えているのかなぁ、と。
どこかに行ってお金を使ったり高速道路で束縛されるより
地道な鍛錬を休日に出来る嬉しさ!みたいなものを感じました。
そういうの嫌いじゃないです。

最近、田辺聖子の『私的生活』を読みました。
もう20年も前に執筆された本なのに、
現代と変わらない人々の生活、モノの考え方、が衝撃的でした。
なんだ、人間、なにも変わってないじゃん、
と嬉しいような悲しいような。
世代を超えて女性のバイブルになっている本、っていうのも分かる気がします。
関西弁がテンポよくて、その地方の粋な生活も手に取るように分かり、
実は関西弁が苦手な私ですが、好きになりました。
(大学の頃に関西弁の知り合いがたくさんいたけど、
結局あんまり親しい友人にはなれなかったのです。
蓋を開けたら友人が東日本ばかりでした。
関西弁は語彙が強いので、性格も押し付けがましい気がしてしまったのです。
よくないなぁ。残念だなぁ。もっと大切にしたかったなぁ。)

あとは東野圭吾の『ゲームの名は誘拐』も読みました。
おもしろすぎて一気に読んじゃった、っていうのもあるけど、
割と分量が少なめな小説だったかもしれないです。
内容は逆転逆転大逆転だけど、分量はすんなり読めた、
といった感想です。
他に、東野圭吾にしては珍しい『サンタのおばさん』という絵本も読みました。
絵本だけどシニカルな風刺がいかにも東野圭吾で、
個性は何をどうしても現れてしまうものなんだなぁ、なんて思いました。
個性を出せる技量というのもあるとは思うんだけど。

最近は「自分の求められているもの」と「自分にしかできないもの」と
「自分がやりたいこと」は違うくて、
それが合致すれば、お金がいっぱい手に入ったり、名声が得られたり、
幸せになったり、はたまた不幸せになったり、時間が足りなくなったり、
ってなことが起こるんだなぁ、と考えています。
私の今の理想は、友達に会いたい時に会いにいけるような状況が作れること、かな。
来年の6月に秋田で昔からの友達が結婚するんだけど、
その時自分が何をしているか分からないし、
時間的余裕、金銭的余裕、があるのかまったく検討が付かない。
でもずっと昔の小学生の時から、この友達の結婚式には絶対出よう!
って決めていたのに、今の今になって現実的にどうなるかわからないなんて、
なんだかすごく悲しいなぁ。大人なのになぁ。
「時は金なり」だけど、時間とお金はバランスがすごく大事だ、と思ってます。

さて、小雪が「物を捨てることで余裕が生まれる」って言ってたので、
私も物を捨てて余裕を手に入れようかな。
捨てることでスペースを確保したり残したいものや大切なものが見えてきたり、
自分の執着や過去、既成概念から開放されることってあるんだろうな。

| | コメント (0)

『パーク・ライフ』吉田修一

今日は歴史的にも記憶に残る一日になりそうです。
でも、このブログでは時事問題や政治、悲しいこと、暗いこと、
については書かないことに決めているので、
いろいろ考えていることはありますが、書きません。

ということで、読んだ本のこと。
『パーク・ライフ』(文藝春秋/吉田修一著)
芥川賞をとった作品です。
自分が芥川賞に期待をしすぎていたらしく、
芥川龍之介のような奇抜さはないんですね。
都会の男女がお昼休みに公園で過ごす日常を書いています。
特に何があるという訳でもなく、話は終わります。
読んでいて心地いいか、というと、そういう訳でもなく、
本を読んでまで自分が過ごしている現実を突きつけられているような気がして、
あまりいい気分ではありません。
それだけリアルなのかもしれないけど。

あんまり好きじゃないかもしれない吉田修一ですが、
『最後の息子』はおもしろそうなので
機会があったら読んでみようかと思います。
今は石田衣良が読みたいです。
ナツイチのキャンペーンや雑誌『ダヴィンチ』で
岡田将生君が勧めていたからです。

あとは、新しい作家より、アガサ・クリスティーとか筒井康隆とか、
好きだけど作品数がありすぎてまだまだ読んでいない作品、
っていうのも読みすすめたいです。

最近は絵ばっかり描いてて、
台風も来てて外にも出れず、運動不足で眠れないので
朝まで本を読んでしまったりよくない生活をしています。
ストレスがあるとコーヒーを飲み過ぎて胃を壊したり。
まさに今がその状態。
あ〜、花札強くなりたいっ。

| | コメント (0)

『浮世でランチ』山崎ナオコーラ

永作博美があまりにかわいかったので
ついつい映画館まで足を運んでしまった『人のセックスを笑うな』。
山崎ナオコーラのデビュー作にして芥川賞候補になった作品です。
そちらの内容は、
題名のようなガツンとしたお話ではなく、
むしろふわふわしていて巷によくありそうなお話でした。
繊細な、といってしまえばそれまでですが、
とかく文章で読んでみたい内容ではなかったのです。
だからあらためて本で読んでみようとは思いませんでした。

でも最近のFRaUに『浮世でランチ』(河出書房新社/山崎ナオコーラ著)
のことが載っていたので思わず図書館から借りてきてしまいました。
たまには新進気鋭の作家さんに触れるのもよいでしょう。
時代がどんな文章を求めているかが分かります。

ところが、想像していた内容とは全然違い、予想外、おもしろい!
最初の章はOLなのに、次の章は幼少時代、次の章はアジアへ旅行。
あれっ?ランチは??ってな感じです。
正確に言うと、主人公の現在と幼少時代が章ごとに代わる代わる進んでいきます。
25歳で会社をやめてなーんにもなくなってタイ旅行に行っちゃう所が、
今の私の心境にちょっと似てる・・・。
旅行や幼少時代をテーマにするのは江国香織の真似みたいでちょっと嫌だったけど、
おもしろかったから、まぁいいや。
特に、幼少時代の宗教ゴッコが今につながっている所、
誰もが小さいときの経験を今にひきずっていることはもちろんなのに、
それを思い出させてくれます。
そこが意外におもしろかった。

主人公の丸山は前の会社にいた時、
人を寄せ付けないように一人でランチをしていました。
退社直前だけ話した三上さんとは、
なんだか気があって旅行中に何度か手紙やメール交換をしました。

この状況、なぜかよく分かる。。
私も会社では誰とでも仲が良かったほうだけど、
だからといってプライベートに踏み入ったり踏み入らせたり、というのは
極力しないようにしてました。
性格に裏表もないけど、仲良くなりすぎると仕事に支障が出てくるし、
休日も潰れかねない。
みんなのことは好きだけど、
私がちゃんと仕事をするとしたら、どこかで線を引かなければいけませんでした。
でも、私にも三上さん的存在がいました。
仕事だから線を引かなければいけないけど、
人間的に似てる部分があるなぁ、と思っていました。
今は仕事をやめたので連絡を取ろうと思えば取れる人がいっぱいいます。
それは嬉しいことです。
まだ時期じゃない気がするから、しないんだけど。

久しぶりに言いたいことがまとまらない。
本の内容に自分を当てはめちゃうと、なんだかまとまらない。
まぁ、つまり、私は、仕事でも、人間が関わってる以上、
線引きとかしなくても、みんな、仲良く、友達みたいに、みんなでランチを食べたり、
やっていけたらなー、って、思ってもいるんだよー、思ってはねー。
ってな所かな?
私もダメだな~。溶け込むのが苦手だぁ。はぁ。

| | コメント (3)

井上荒野を6冊読む

『切羽へ』で直木賞を獲った井上荒野が気になって何冊か読みました。
読む本のネタがなくなると直木賞作家をかたっぱしから読む癖がついています。

半年前に読んだ作品

『しかたのない水』(2008年・新潮文庫)
スポーツクラブ(中でもプール)に通う老若男女の連続短編小説。
これは面白かったです。
最初は文章が上手いだけで退屈なお話かと思ってたんだけど、
人と人とがこんなにも近くですれ違ったり行き違ったり、
という変なドキドキや、色んな年代の心理描写がよかったです。
特に最後の2つのお話は異空間にボンと放り出されたような気持ちになります。
最初はあんなにも退屈で日常だったのに、ドキドキと非日常になるんです。

『潤一』(2006年・新潮文庫)
これは、私は苦手だったー。
島清恋愛文学賞を獲った作品だったから期待してたんだけどね。
江国香織も『がらくた』で受賞してました。
潤一がいろんな女性の所に現れて一悶着あるんだけど、
女性の視点から潤一について語られる短編の寄せ集めです。
どうも潤一に人間味が感じられなくて、まるでアニムスみたい。
もしかしたらアニムス、っていうのが主題だったのかもね。
でも、井上荒野の小説には必ずこういうタイプの、というのは、
あんまり意思がなくその日暮らしなのに、女にはついて行く、
っていう男性が出てくる気がします。

3ヶ月前に読んだ作品

『ナナイロノコイ』(2006年・ハルキ文庫)
女性作家のアンソロジー文庫本にも井上荒野がいました。
『帰れない猫』という短編小説です。
うーん、またこのモチーフかぁ、といった感じです。
浮気とか夫婦間のずれとか習慣とか。
確かに文章は上手いんだけど、読んでて印象に残らない、というか
暗いというか、楽しくない、というのが正直な感想かな。
江国香織の作品が読みたくて買った本だから別にいいんだけど。

1ヶ月前に読んだ作品。

『夜を着る』(2008年・文藝春秋)
図書館にたまたまあったから借りた作品。
あとがきを読んで初めて「旅にまつわる短編集」だと気づきました。
そうか、そういえばみんな大なり小なり遠くへ行ってますね。
だからといってワクワクするわけでもなく、うーん。
文章は上手いんだけど、ってそればっかり言ってますね。あは。
荒野という名前の人にワクワクを求める私がいけないんですよね。

『学園のパーシモン』(2007年・文藝春秋)
これも図書館にたまたまあったから借りた作品。
きたきた、これはおもしろいぞ。
途中まで最高におもしろいです。
幼稚園から大学まで同じ敷地内で一貫して教育する「学園」があり、
そこの学生はみんな学園長を慕っている、という不思議な舞台設定があります。
そして、その「学園」には赤い手紙が来たらすごいことが起こる、
という言い伝えがあるんです。都市伝説ってやつですね。
学園長が病気のため刻々と死に向かう中、
赤い手紙が来た女生徒、訳ありの男子転校生、生徒と関係を持つ美術教師、
天才的に絵が上手いのにいじめにあっている女生徒、の4人が交互に話を進めます。
「途中まで」最高におもしろい、というのは、
ミステリー感覚で読んでしまうと失敗する、ということです。
詳しい内容はここでは語りませんが、きっとテーマは「噂」です。
それを頭の隅においてもらえれば、きっと最後まで最高におもしろく読めると思います。

今日読み終わった作品。

『不恰好な朝の馬』(2006年・講談社)
これもラッキーなことに図書館にあったから借りました。
この話の設定は『学園のパーシモン』につながる所があります。
かぶっている、といってもいいのかな。
最近は同じモチーフを違う作品で繰り返し使う、っていうのが主流になってきてますね。
村上春樹もそうだし吉本ばななもそうだし。
それが作者の個性になっているのかな?
それが心地いい人もいるだろうし、別のモチーフをもっと出して欲しい
という人もいるでしょう。
私としては同じモチーフを出してくるとニヤリとしてしまうけど、
やっぱり新しいモチーフも出して欲しいな。
この話の場合、団地が舞台なんだけど、奇妙なポスターが張られる所が
次作とかぶってますね。教師との恋愛とか高校生の描き方とか、
やっぱりどっかかぶってる。不穏な空気は荒野の作品全体にかぶってるけどね。

はぁ、やっと井上荒野を大体読み終わったので、
(本当は『切羽へ』『ベーコン』『誰よりも美しい妻』が読みたい)
明日からは東野圭吾を読みます。
奇跡的に図書館にありました。
有名な作品は手に入りにくいけど初期の作品は借りやすいのです。
そして早く村上春樹の新作『1Q84』と小川洋子の新作『猫を抱いて象と泳ぐ』
を読みたいです。多分2年後くらいになるのかな(笑)
社会人になってもハードカバーには手が出ないです。文庫ならすぐに買うけど。
そういえば、江国香織の『左岸』をまだ読んでいないことに気づきました。
血の気がひきそうです。そろそろ読まなきゃ倒れちゃう。
SPURで連載している『抱擁、あるいはライスに塩を』も断片だけ読みましたが、
すっっっごくおもしろかったです。
同じ主人公でも時代によって留学していて住んでいる国が違ったり、
恋人が違ったり家族がいたり友達が違ったり窓から見える景色が違ったり、
そんなお話を書いていました。早く読みたーい。

| | コメント (0)

『海』小川洋子 『東京タワー・・・』リリー・フランキー

新しい苗字の印鑑がやっとできた。
でもまだ免許証の更新すらしてないため、
郵便局も銀行もカード会社も氏名変更してない。
日にちが経てば経つほど自分が何者なのか分からなくなり、
でも普段の生活に氏名はあんまり関係ないから、まっ、いっか、状態で
毎日が誰とも会うことがない家の中で過ぎていく。
今日も雨が降ったためもちろん外には出ずに家の中でぼーっと過ごす。
早く新しい苗字に統一しなきゃな。とは思うんだけど。

昨日は久々に埼玉君と新宿で会った。
先週はちぃちぃとそのちゃんがうちに来た。
埼玉君が先週会えなかったから、昨日は会えて本当によかった。
最初は細かいショッピングに付き合ってもらって、
夜ご飯を歌舞伎町の居酒屋風雲児で食べた。
知らなかった埼玉君の意外な過去を知り、びっくりした。
その後、イングリッシュパブHUBに行った。
埼玉君はこれまた意外にも来るのが始めてだったので、
喜んでもらえたようで一緒に行けてよかったな、と思った。
埼玉君にはぴったりの場所なのに。
いずれ、経営してくださいね。アメリカンパブでも。
内祝いの「もちクリーム」ありがとう。おいしかったね。

図書館で目に付いたものから借りてきた本。
雑誌はan・anとかFIGAROとかなんとなく見る。

あとは料理本

『アジアの調味料でいつものご飯』 渡辺有子
『カレーの法則』 水野仁輔

これらはすごくいい本だ。おすすめです。
暇だから料理には凝ってる今日この頃。
とんかつ用の肉があると思ったらなかったので、
豚バラ肉をぎゅうぎゅうに押し付けて
ミルフィーユトンカツを作ってみたり、
カレー粉と生クリームでスープカレーを作ってみたり、
和食の煮物に飽きたのでナンプラーを入れてアジア風にしてみたり。

『海』 小川洋子

小川洋子のエッセンスがいっぱいの短編集。
私は「海」っていうお話に出てくる人が、
友達のshinchanに似ててちょっと好きでした。
「ひよこトラック」っていう話も好き。

『東京タワー~僕とオカンと、時々オトン~』 リリー・フランキー

今まで同業者のリリー・フランキーが小説を書いた、
ってことで、け嫌いして読んでなかったんだけど、すごくいい本でした。
どうしてもイラストレーターにはイラストだけ描いていて欲しいと思ってしまう。
リリー・フランキー、ごめんなさい。ほんとに。
オカンの癌の進行状況が私のおばあちゃんに重なり、
オカンが地元にいて自分は親孝行と言えるようなことができるくらい
余裕のある生活ができてないところが私の母と私に重なり、
オカンが男親であることでリリーの彼女を本当の娘のように思うところが、
私の義母に重なり、
最後の100ページはずーっと泣きっぱなしでした。
でも、がんばって、読みました。
本を読むのにすごく体力をつかいました。泣きつかれて眠りました。

『日々の考え』『イルカ』 よしもとばなな

久しぶりによしもとばななでも読もうと思ったんだけど、
『日々の考え』(エッセイ集)の最初の話が読むに耐えなくて
やめました。

お知らせ。妹が携帯で書いているHPをリンクしました。
文字化けとかで読みづらいし、変なボタンをクリックすると
危ない目に遭いそうなのでご注意ください。
妹の名前はさおりで、友達と二人でやってるHPぽいです。
妹は私よりギャルですが、HP1ページ目の写真ではありません(笑)

| | コメント (3)

『がらくた』江國香織

久しぶりに専門書(ランニングとかヨガとか)以外の本を読んだ。
大学以前の読書が苦手な私なら
専門書を読むことも「本を読む」のくくりだったのに、
最近はまったくの別物になってしまった。

図書館で借りてきた『がらくた』著/江國香織。
おもしろかったので、バス酔いしながら、昼ごはんを食べながら、
他の時間も惜しんでは1日半で読み終えた。

今回の江國作品は意外と濃密な恋のお話だった。
主人公の歳と江國自身の歳が作品を発表する時々でいつも近い、というせいか、
最近は主人公が歳を取ってきて、恋より愛、過激より落ち着き、
といった作品が多かった気がするから。
しかも、「情事から知ったことが」とか何とかいう台詞があるくらいで、
普段なら情事についてあまり具体的には書かない江國なのに、
今回はそこまで具体的ではないにしても
普段とは違う濃厚な空気感が伝わってくる文体になっている。

お話は主人公の柊子が母の桐子とプーケットに旅行している場面から始まる。
柊子は夫が大好きなのに夫は他の女と寝ることをやめないし
妻を他の男と寝ることを許し、いかに自分たちが愛し合っているかということを確かめている。
柊子は旅行中にミミという少女の美しさに目を奪われるが、
ミミとミミの父とは旅行から帰ってきてからも東京で親交を深めることになる。

物語は柊子の視点で進むと思いきや、途中でミミの視点で進み、
交代しながら進んで行くことになる。

話の内容に関わらず、読んでて思ったのは、
結婚している人が遊んでいない、という訳ではない、ということ。
むしろ、結婚している、法律的にも周りの人にも許された既婚者同士の方が
浮気ではなく、二人っきりで多いに遊んでいるといえるのかもしれない、
と思った。

それから、江國香織の言葉に対する思慮深さ、こだわりのすごさに関しては、
今回も驚くくらい思い知らされた。
同じ行為であっても、45歳の柊子にとっては「情事」であり、
帰国子女の15歳ミミにとっては「性交」なのだ。
この言葉を反対にすることはできない。
正しい言葉を使わせることによって、人物が浮き立つだけではなく、
言葉に深みや重さが加わってくる。
言葉にはひとつひとつ雰囲気があり、類義語にはなってもイコールになることはできない。

ちなみに、お話の中で「がらくた」という言葉が出て来るシーンがある。
私はそこで本の活字を見て止まってしまった。
目の前の活字が二重になってぼやけた。
言葉の重み、意味すること、そんなことを考えて。

がらくたに相当する思い出深い品々たちを私もなかなか捨てられない。
過去をぎゅっと閉じ込めた、他人からは何の感慨もないもの。
それでも捨てられないのは、すべての人が過去を持ちながら
今を生きているからだと思う。

| | コメント (4)

より以前の記事一覧